こんにちは。美術検定協会・編集チームです。11月7、8日に開催の「1~3級美術検定オンライン試験」の申込が9月15日より始まり、いよいよ本格的に美術検定の勉強に取りかかる方も多いと思います。今回は、美術検定3級受験に取り組んでいる関西在住の芸人・ミサイルマンの西代洋さんにお話を伺いました。
―西代さんが美術検定を勉強しようと思ったきっかけは何でしょうか?
ちょうど緊急事態宣言が発令されて世の中が自粛期間だった頃、この休みの期間を活かそうと思って、いろんなチャレンジしたんですよ。ダイエットや、いろいろな検定試験を受けるとか。それでダイエットは10キロ減成功、検定では声優能力検定の2級を取得しました。検定と言えば、もともとコミュニケーション検定というのも取ったりしています。
それで他にどんな検定があるか調べてたんですが、ちょうど出演しているテレビ番組(読売テレビ『キューン‼』)で美術展の紹介なんかもしていたから、美術の勉強できる検定をさがしていたら、「美術検定」というのがあるのを知りました。すぐにAmazonでテキストを買いましたね。
―美術鑑賞をするようになったのは、お仕事がきっかけだったのですね。
そうですね、なんか美術館って敷居が高いでしょう?だから自分なんかが行くような場所だとは思っていなかったんですよ。で、番組内で美術展を紹介するコーナーの打ち合わせで、番組の担当スタッフから「フランス絵画の、印象派が生まれる前の300年の…」とか当たり前に説明されるわけですよ。「そんなん言われても世の中の人は知らんで!」と思ってね。美術検定を受験しようと思ったのも、自分できちんと理解して、わかりやすく伝えたいからなんですよね。
今では番組で扱わない美術展も行くようになりましたね。仕事で京都に行くことも多いんですが、その時に美術館にも行くようにしています。だいたい平均して月1回は(美術館に)行ってるんちゃうかな。まあ今はこういうご時世でなかなか行けないですけど。
―どんな美術作品が好きですか?
なんかこじゃれているものが好きですね。抽象画っぽいのとか。アルチンボルドも好きかな。美術展に行って、いいなと思った作品はテキストなどで調べていますね。ギリシャ神話にもとづいた作品などは苦手。
好きな作品のコースターを手に、悦に入る西代さん
あとはもともと日本の歴史が好きで、戦国時代から明治維新まであたりの時代はいいですね。お城も好きだし。美術館じゃないけど、どこかの資料館で見た織田信長の手紙や坂本竜馬の手紙などもよかったなあ。
だからってわけじゃないけど、番組で海外からの美術作品を紹介する時には、「ちょうどその頃日本では●●時代で…」と言うようにしていますね。そうすると海外と日本の比較ができて、いかに海外が進んでいたことがわかる。
―美術検定にむけての勉強方法を教えて下さい。
テレビやゲームで美術が出てきたら、本やテキスト、それに載っていなければネットで調べるようにしています。なんか美術って入りにくいんですよねー。競馬番組と似ていて、血統がどうとか、どこからやっていいかわからない。なんとか主義とかでてきたら、あーっ…てなる。ほんま一回ゼロにしてほしい(笑)。
でも、番組内で紹介した展覧会でカラヴァッジョの作品が展示されてたんですが、作家を知ると好きになりますね。カラヴァッジェスキですか、カラヴァッジョに憧れてた作家と繋がった時に、自分もすごいテンションがあがりました。
こう勉強していくと、美術という歴史の中でも同じことが繰り返されているなーと。じじいがやっていて、反発した若者が会報誌を作って(笑)、そんなん繰り返してますよね。
美術の勉強って、自分で点と点をつなぐ作業かなと思っています。
とにかくいったん全部勉強して、わかって、かみ砕いて発信したら、美術を知らない世代にもその楽しさが伝わるかなーと。
―美術検定に合格したら何をしたいですか?またこれからどのように美術を楽しんでいきたいですか?
美術を知らない世代に向けて、もっとわかりやすく美術を紹介していきたいですねー。それこそ番組の担当スタッフをぶち破っていくような(笑)。キャッチ―にいかないと客入らないよ、と。
今ね、「高い絵展」という展覧会を企画して、と提案しています。贋作だけ集めて、美大生が描いたものを集めて、とか。高い絵の隣に札束を置いて、とか。昔もパトロンがいて、きれいに描く画家を囲っていた、という歴史があるでしょ。なのに今の美術業界って、なんかお金=美しくないっていう暗黙の了解みたいなのがある。
でも、バンクシーとか作品の価格が注目されてたりしますもんね。ちょうど年末に大阪で「バンクシー展」があるんですよ、だから今がチャンス。ここで「高い絵展」実現したいわー。
―お忙しいところありがとうございました。西代さんが晴れて美術検定に合格し、アルカイックスマイルで微笑まれますこと、楽しみにしています!
取材・文/高橋紀子(美術検定協会・編集チーム)
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