美術検定への取り組み~最年少で美術検定4級合格!

 こんにちは、美術検定協会です。現在通年で開催中の「美術検定4級オンライン試験」に、東京に住む5歳の女の子から受験申込がありました。そして見事、最年少合格者として美術検定4級を取得したえりかちゃんのお母様に、美術検定への取り組みについてお話を伺いました。



えりかちゃんは岡本太郎の《太陽の塔》が好きな作品と伺っています。好きになったきっかけは何でしょうか。


 もともと絵を描くのが好きだったのですが、岡本太郎に夢中になったきっかけは、渋谷駅にある壁画《明日の神話》でしょうか。あの壁画を見て以来岡本太郎が好きになり、大阪まで行って《太陽の塔》を見ました。《太陽の塔》からイメージを受けて描いた絵は、今自宅の壁に飾っています。




 その絵をお友達に見せたところ、NHKEテレの番組「びじゅチューン」(*1)を教えてもらいました。そこからものすごいスピードで「びじゅチューン」ファンになって、本物はどんなの? どこにあるの? と、番組を見るたびに質問攻めに(笑)。昔買った画集や本をリビングの絵本棚に並べ、親も含め気になったらサッと手に取って調べられるような環境に自然となっていきました。



美術検定を受験しようと思ったきっかけは何でしょうか。また、美術検定にむけてどんな勉強をされましたか。


 本物の絵はどんな絵? と聞かれるので、わかりやすい本はないかと探して見つけたのが、『この絵、誰の絵? 100の名作で西洋・日本美術入門』でした。この本が美術検定4級の公式テキストだと後から知り、検定? と調べてみたらとても興味深い内容で、これは親である私も受けてみたいと思いました。オンライン上で公開されている美術検定のサンプル問題を、試しに娘にもトライさせたところ、全問正解し、もっと出して! もっとやりたい! と楽しそうだったので、本試験もやってみようということになりました。


 特に美術検定の試験対策を意識してはいませんでしたが、受験を決めてからは、家での遊びの中に美術を多く取り込むようになりました。作品のポストカードを広げて、作者名を言ってその作者の作品を誰が早く取れるか、同じ画家の作品は? 琳派の作品は? など、かるたのようなゲームにして、家族で競い合って遊んだりしました。また、墨汁で雪舟の、点描でスーラの作品を真似して描いたり、紙粘土で曜変天目を作ったりと、遊びの中から作品に触れ合う楽しさを自然に学んでいったように感じます。親としては、作品名や画家名を覚える過程でカタカナをあっという間に吸収してくれたのが、嬉しい産物です(笑)。


美術検定もオンラインで受験可能となったように、美術を学ぶだけでなく、オンライン

上やおうちで美術鑑賞といった、美術をみる環境も変わりつつあります。オンラインでの

楽しみ方と、実際美術館などで本物の作品をみることの違いについて、どう感じていらっしゃいますか。


 このコロナ禍で、どこへでも足を運んで美術鑑賞、ということは難しくなってしまいました。その反面、オンラインでの鑑賞スタイルを提供してくださる美術館が多くなり、作品をより身近にじっくりとみる機会が増えたように感じます。美術検定も、オンラインでなかったら受験を諦めていたかもしれません。4級は通年で開催されているので、今なら大丈夫! と思える自分のタイミングで受験できたのもよかったと思います。

 とはいえ、オンラインが普及しているとはいっても、何百年、何千年と大事に守られている物を実際に見たい、という思いが勝ります。映像では感じられないものも、本物の作品の前に立つとふっとその時代を見つめられるような感覚があります。

 本物の作品を見に行きたい!と子供が思うことは、子供も作品から何かを感じているのかもしれません。娘が好きな東京国立博物館のオンラインプログラム(「みどりのライオン オンライン」)動画を見ることが多かったのですが、一度映像で見てから実際に美術館に足を運ぶと、感動もひとしおで、より理解が深まった気もします。

 娘が「びじゅチューン」に夢中になってからは、本物が見たい!というリクエストに応えるべく、感染対策をした上で可能な範囲での美術館巡りが家族の行事となっています。旅行ガイドブックの『るるぶ びじゅチューン!の旅』を眺めては、次はここに行きたい、とボロボロになるまで眺めています。



美術検定がさらに美術を楽しむ機会のひとつとなったお話が伺え、こちらも大変嬉しいです。そんなえりかちゃんが、今一番本物を見たい作品は何でしょうか。


 美術検定を勉強する中で、知らないもの、わからないものもたくさんありました。まだまだ自分が知っているのはほんの一部分だと知り、もっともっと知りたい欲が高まっているようです。今は静岡にあるMOA美術館所蔵の、尾形光琳《紅白梅図屏風》を見たがっています。海外にも行くチャンスがあったら、《ミロのヴィーナス》が見たいそうです。将来的には、本物の作品と出会うべく世界中の美術館巡りをしたい、と夢が膨らんでいます。


―お忙しいところありがとうございました。えりかちゃんのこれからがとても楽しみです!




取材・文/高橋紀子(美術検定協会・編集チーム)

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