CINEMAウォッチ「国立映画アーカイブ こども映画館」
- bijutsukenteiweb
- 6 日前
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こんにちは、アートナビゲーターの深津優希です。映画を入口にアートを楽しむCINEMAウォッチ、今回ご紹介するのは、夏休みらしい楽しい企画。京橋にある国立映画アーカイブの教育普及イベント、こども映画館です。早速初日に参加させていただき、こどもたちと同じくらいか、もしかするとこどもより楽しんできたので、自信を持っておすすめします。
こども映画館
映画という文化芸術の素晴らしさを大画面で体験することで豊かな情操と高い映像理解能力(リテラシー)を育むことを目的とし、毎年夏に開催されているこの企画は、Adobe Foundationの支援を受けて実施しているプログラムの1つです。今年は7月24日(金)、7月25日(土)、7月31日(金)、8月1日(土)の四日間にわたって様々な作品に出会えます。
上映中にこどもたちが素直に驚きの声をあげたり、笑ったりするのがとても素敵で、ちびっこの映画館デビューにピッタリだと実感しました。上映前には各作品についてわかりやすい説明があり、また上映後には映写室見学の権利をかけたジャンケン大会で白熱! こどもたちには、映画フィルムのしおりと「映画きろくノート」がお土産として配られていました。映画を一本見たら一個スタンプを押す仕組みもあります。また開催日ごとに上映作品が変わり、後半の2日間は活弁や生演奏つきだそうです。ワクワクの詰まったイベント、行きたくなってきましたね? この貴重な機会に、お子さん、お孫さん、甥っ子姪っ子、お誘い合わせの上どうぞご参加ください。

※以下、全ての画像提供=国立映画アーカイブ


参考までに、初日のラインナップはこちらでした。
『バベルの本』(1996年)
日本/演出、アニメーション、美術:山村浩二/5分/カラー /16mm
小さな兄弟がバス停で見つけた本を開くと……バスを待つ時間が、大冒険の時間に!平面と立体を組み合わせて作ったアニメーション。NHKのプチプチ・アニメ(『ニャッキ』が有名ですよね)で放映された作品です。
『ちんころ平平 玉手箱』(1936年)
日本/作画:大藤信郎/ 8 分/白黒 /35mm
ちんころ平平(へいべい)は、顔が犬張子のようなワンちゃん。海の底まで泳いで行く、やんちゃぼうずです。すっかりファンになり、ちんころ平平の絵葉書を受付で購入しました♡
『てんまのとらやん』(1971年)
日本/監督:中村武雄、河野秋和/ 17 分/カラー/35mm
人形アニメーションの愉快なミュージカル。おっちょこちょいだが力持ちのとらやんが、ぬるぬる逃げ出すウナギを追いかけて海へ、空へ。フォー・コインズによる男声コーラスが良い味を出しています。
『プッシュ』(1987年)
日本/原案、構成、演出、作画:手塚治虫/ 4 分/カラー/35mm
車で荒野を行く男がひとり。時々停まっては自動販売機で様々なものを買い、身なりを整えたり新車にしたり。ボタンを押せば新しいものが手に入る、何でもリセットできると思ったら、そうでもないみたい?
『雪の女王 THE SNOW QUEEN』(1978年)
日本/監督:渡辺和彦/ 20 分/カラー/35mm
この日上映された中では一番長い作品。純粋な少年と少女の物語。悪魔の悪戯で離れ離れになりますが、ふたり一緒に故郷に帰るために必要だったのは、さて何でしょうか。
ところで、国立映画アーカイブWebサイトのトップページに「日本アニメーション映画クラシックス」サイトへの入口があります。こちらのサイトでは、たくさんのアニメーション作品を見ることができます。わたしの推しのちんころ平平が出てくる大藤信郎作品もいくつかあるので、ぜひ覗いてみてくださいね。
常設展にはこんなお宝が!
会場の「国立映画アーカイブ」は、以前は「東京国立近代美術館フィルムセンター」という名前で知られていました。わたしは東近美でガイドスタッフをしているので、フィルムセンターは親戚のような気持ちでいたのですが、2018年に独立して名前が変わったのでした。その7階にある常設展「NFAJコレクションでみる 日本映画の歴史」では、撮影機、映写機やポスター、写真などの貴重な資料を見ることができます。
私が訪ねた日には、「こども映画館」上映後に、希望する参加者はスタッフと一緒に7階へあがりました。スタッフが特別に映写機の蓋を開けて普段は見ることのできない内部を見せてくれたり、仕組みを説明してくれる場面もあり、こどもたちはびっくりしたり、感想を口にしてワイワイと楽しんでいました。木箱のような「ウィリアムソン式和製撮影機」の中でフィルムがどこをどう通って巻き取られるとか、「初期の国産映写機」の中には電球のかわりにカーボンの棒が2本あって電流を通して光を得ていたとか。そんなかっこいい機材のほかに、かわいいものもたくさんありましたよ。


『天狗退治』(1934年、大藤信郎監督)のポスターには、我らがちんころ平平が勇ましく天狗をやっつけている様子が描かれています。『アンデルセン物語』(1968年、矢吹公郎演出)や、『ちびっ子レミと名犬カピ』(1970年、芹川有吾演出)の絵を描く際に全方向からみられるモデルとして作られたキャラクター人形たちが勢ぞろい。そして『ホーム・マイホーム』(1970年、岡本忠成演出)のためのキツネのペーパー・クラフトの美しさもお見逃しなく。
企画展「没後70年 映画監督 溝口健二」
このお部屋はちょうど展示替えの期間に入ってしまいましたが、次回企画展は8月11日から始まります。詳しくは公式サイトをご覧いただくとして、溝口健二の長回しや移動撮影を多用した表現と完全主義の演出は、フランスのヌーヴェル・ヴァーグの監督たちにインスピレーションを与えたとのこと。前回のCINEMAウォッチに繋がりましたね。
ついつい長くなってしまいました。夏休みに合わせた上映「フィルムでみよう!東映アニメーション」もあり、とにかく楽しい国立映画アーカイブ、大人もこどももぜひ、行ってみてくださいね。
◆こども映画館
7月24日(金)、7月25日(土)、7月31日(金)、8月1日(土)https://www.nfaj.go.jp/event/kids-cinema2026/
◆フィルムでみよう!東映アニメーション(7月21日〜9月6日)https://www.nfaj.go.jp/film-program/toeianimation202607/
◆国立映画アーカイブ(常設展もおすすめです)
https://www.nfaj.go.jp/
◆日本アニメーション映画クラシックス(動画がみられます)
https://animation.filmarchives.jp/index.html
プロフィール/
深津優希(ふかつゆうき)
美術館ガイド、ワークショップ企画、美術講座講師、執筆などを通して、アートと観る人をつなぐ活動をしています。オンラインの鑑賞プログラムや、動画による作品紹介なども。このブログでは、アートが題材となった映画をご紹介しています。




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