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子連れで楽しむ美術館vol.17

更新日:2022年5月27日


こんにちは、そしてお久しぶりです。子連れアートナビゲーターのMARMOTです。

本ブログで、子供と一緒に美術館を訪れた記録や楽しむコツなどをお伝えしてきた連載「子連れで楽しむ美術館」、vol.16を最後にご無沙汰していました。理由は、コロナ禍の影響もありますが、子供が10代になり一緒に美術館に行ってくれなくなったことが大きいです。

思春期あるあるです。そもそも親と一緒に出かけること自体を嫌がります。

そんな中、大人にも大人気の絵本作家、ヨシタケシンスケの初の展覧会が開かれるとの情報を耳にしました。子供も私もヨシタケさんの本が好きなので、これなら来てくれるかも、と誘ったところ、快諾してくれました。

そんなわけで、今回訪れた美術館は「世田谷文学館」です。


撮影:黒澤義教  写真提供:世田谷文学館 


世田谷文学館の開館は1995年、東京23区では初の地域総合文学館です。京王電鉄京王線「芦花公園」駅南口から徒歩5分ほどで到着。周囲は木々が多く、森の中の小屋のような雰囲気があります。


1階に多目的トイレ、ベビーチェア付きのトイレ、授乳室を備えたベビー&キッズエリア、そして車椅子対応のエレベーターがあります。またベビーカーを借りることもできるようです。

今回の「ヨシタケシンスケ展かもしれない」が開催されている企画展示室は、階段を上がって2階にあります。制作過程のスケッチと並んで、立体造形やヨシタケさんのコレクションも多く展示されています。絵本を出版する以前から造形作家としても活躍されていたため、壁一面に紙の原稿が並ぶという展覧会のイメージからはかなり違っていました。展示は写真撮影OKですが、フラッシュ使用や動画撮影はできません。


会場では、ヨシタケさんのスケッチや立体造形も多く展示されている。写真:筆者撮影


娘は作品を熱心にみることなく、スマートフォンに視線を落とし、自分で絵を描いております。やはり小さかった時の鑑賞スタイルではありません。予想通りとはいえがっかり。それを見透かしたように、こんな言葉が掲示されたパネルが。


「つまんなそうにしてたら係の人がコチョコチョしてくるかもしれない」


写真:筆者撮影


子供の頃、家族と訪れた展覧会をつまらないと感じていた、と語っていたヨシタケさんならではの愉快な一撃。

このブログを読んでいただいている方は、美術検定を受験する、または美術検定に関心のある方々かと思いますので、美術館をつまらないと感じることはまずないと思います。ですが、つまらないと思う人もいます。

「そうか、美術館がつまらないと思っていることも、面白がればいいのか」とにやにやしてしまいました。別の世界への入口を見た気がしました。


1階展示室ではコレクション展「山ありてわが人生は楽し」が開催されています。同時開催の、自動からくり人形作家「ムットーニ」の「ムットーニのからくり劇場」は、こちらで観覧できますよ。

鑑賞後は、併設の「喫茶どんぐり」で、池のある中庭を眺めつつお茶とクッキーをいただきました。


楽しんだのかつまらなかったのかよくわからなかった娘でしたが、帰宅後、展覧会の告知チラシに自分で絵を付け足していました。

まさに展覧会のチラシを道行く人に配っているイラストなのですが、「みんなチラシをもらってない、チラシを持たせてあげよう」と言って、全員の手にチラシを握らせていました。

みるよりも描くほうが好きな子ならではの、展覧会の楽しみ方なんですね。


絵が付け加えられた展覧会チラシ(部分) 写真:筆者撮影


この「ヨシタケシンスケ展かもしれない」、東京会場は7月3日(日)まで開催されます。入場には日時指定チケットの購入が必要ですので、どうぞご注意を。「また東京だけか~」と思った皆さんもご心配なく。この後、兵庫、広島、愛知を巡回します。展覧会公式サイトによると、「この後も、全国巡回するかもしれない」そうです。



■「ヨシタケシンスケ展かもしれない」 https://yoshitake-ten.exhibit.jp/

【会期】2022年4月9日(土)~7月3日(日)10:00~18:00(入場は30分前まで)

【場所】世田谷文学館(詳細は下記ご参照下さい)


■世田谷文学館

〒157-0062 東京都世田谷区南烏山1-10-10

開館時間 10:00~18:00 (入場は17:30まで)

休館日 毎週月曜日(祝日の時はその翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)

観覧料 <コレクション展>一般 200円、高校・大学生150円、小・中学生100円、65歳以上100円、障害者手帳をお持ちの方100円 <企画展>企画内容によって異なります



プロフィール/NHKの美術番組をきっかけにアートに興味を持ちました。長年の趣味が資格になるのは何だかかっこいいな、と考えて2008年に美術検定1級を取得しました。翌年に出産。ただの美術好きの母親が、鑑賞するよりも描くほうが好きな中学生と、試行錯誤しながらアートを楽しんでおります。




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