大阪中之島美術館で開催!色でアートを楽しむ親子向けワークショップ
- bijutsukenteiweb
- 2022年6月17日
- 読了時間: 4分
更新日:2月24日
こんにちは。大阪のアートナビゲーター、琴見ゆりです。
私はカラーコーディネーターでもあることから、「色」を切り口にアートを楽しむ講座をカルチャー教室などで開催しております。
今回は、2022年2月に新しくオープンした大阪中之島美術館で5月に開催された、色とアートに関連した親子向けワークショップをご報告します。

美術館でのワークショップ開催は未経験でしたが、過去に私のカラー講座を受講された展
覧会関係者の方からお声かけをいただき、このたびの企画が実現いたしました。
今回は、現在開催中の開館記念特別展「モディリアーニ ー愛と創作に捧げた35 年-」(7 月18 日まで)関連イベントということで、モディリアーニが活動した時代にちなみ、ワークショップのタイトルは『色で楽しむエコール・ド・パリ』。
参加対象は小学生とその保護者で、各回約30 名の親子にご参加いただき、計2回行いました。
ワークショップでは、子どもたちは「色探偵」になって、100 年前のパリで活躍した画家
たちの作品を色で読み解いていきました。

まずは色探偵になるための準備運動、色クイズです。
・私が好きなピンクと、あなたが好きなピンクは、同じピンクなのかな?
・「明るい」色ってどんな色?
・デパートの〇〇コーナーに多い色は?
などなど、親子で一緒に考えて発表!
一言でピンクといっても、想像する色は人それぞれでまさに十人十色。
そんな「色」を共通の言葉で伝える方法を学びました。

後半はいよいよ色探偵として調査開始!
まずは、自分のお気に入りの絵をひとつ選びます。
そして探偵の秘密道具であるカラーカードを使って、その絵にどんな色が使われてい
るか調査していきます。
探偵さんが選んできた色を、助手である保護者が切り取って調査シートに貼っていく
と…色の設計図の出来上がりです。
ただ「きれいだなー」と選んだだけの絵であっても、
・あざやかな色をたくさん使っていて楽しい
・淡くてやわらかい色が多くて優しい感じ
・白と黒でメリハリがある
など、その絵の特徴を言葉で表すことができました。
エコール・ド・パリの画家たちは、他の画家たちとは違う「自分だけの色使い」でその
個性を表現しています。同じ場所・同じ時代を生きた画家たちでも、これだけ表現が違うということを、子どもだけでなく大人の参加者の方々も実感されようでした。

私のワークショップのテーマのひとつは、「親子のコミュニケーション」。
子どもが参加するのを親がただ見ている…というのではなく、一緒になって考え、楽し
むプログラムを企画、運営しています。
親子で一緒にひとつの絵を見て、
「これなにを描いてるんだろう?」
「私はこう思う!」
「この色きれいだね」
「ぼくはこっちの色がすき!」
そんな会話をする時間は、長い人生の中ではほんの一瞬かもしれません。
しかしその経験が思い出として心に残り、豊かな心が育つための種になることを願っ
ています。
小さい子どもを連れて美術館に行くのはハードルが高い…と思われる方も多いかと
思います。でも、自分の子どもと一緒にアートを鑑賞できるのはたった数年。
少しでもそのハードルを下げ、親子でアート鑑賞を楽しんでいただける機会を提供で
きるよう、今後も活動を続けていきたいと思っています。
◆展覧会公式サイト
開館記念特別展「モディリアーニ ー愛と創作に捧げた35 年-」
2022年4月9日~7月18日 大阪中之島美術館にて開催中
プロフィール/
神戸大学文学部・同大学院にて西洋美術史を専攻。
英国系アパレルブランド在職中に「色」に興味を持ち、色彩学の資格を取得。
現在はフリーのアートナビゲーター・カラーコーディネーターとして活動中。
また出産後は色育アドバイザーとして、色で子育てを応援する活動にも取り組んでい
る。
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