美術史も学べる!古典から現代アートまで楽しむ<絵画教室ルカノーズ>


こんにちは。アートナビゲーターの金古真紀です。

今回は自己紹介を兼ねて、私の職場、絵画教室ルカノーズの活動をご紹介したいと思います。


ルカノーズは「全くの初心者の方に、遊園地へ遊びに行く感覚で美術を楽しんでもらいたい」という想いで、2009年にスタートしました。

私はここで講師として、学生や社会人の生徒さんに教えつつ、またカリキュラムや教材開発のお手伝いをしています。


目黒校

目黒校


池袋校

池袋校


描き方だけではなく美術史も学べる


一般的に、絵画教室では主に描き方を教わり、美術史に興味があったら別途カルチャースクールなどの講座を受講することが多いかと思います。

ルカノーズは、美術史の知識と画家の表現テクニックを有機的に習得していくことを目標とした、独自カリキュラムを開発・実践している、少しマニアックな(?)絵画教室なのです。



具体的に説明しますと、カリキュラムがルネサンス、バロック、ロココ…と、西洋美術史の年代順に進みます。

その時代の美術の特徴や、何が革新的だったのかなどポイントを解説してから、時代と関連したテーマで作品制作を行います。たとえば、ルネサンスの課題では、巨匠のデッサン模写や遠近法のトレーニングで基礎力を、ポスト印象派の課題では、浮世絵の輪郭線を取り入れたゴッホの模写からのアレンジ、第二次世界大戦後の抽象表現主義の課題では、ポロックやクーニングを参考にアクションペインティング…というように。歴史を学んでさらに手を動かすことで、知識と技術が効率よく身につくよう構成されています。


そして、カリキュラムをこなす中で、アクリル、油彩、パステル、粘土…と一通りの画材に触れながら、デッサン、古典絵画、クロッキー、写実絵画、抽象画、コラージュ、立体など多様な表現技法に取り組んでもらい、美術の進化を体感しながら現代に向かって近づいてくる、という流れになっています。自画自賛ですが、こんな教室、なかなかないんじゃないかと思います。



美術検定との関わり


美術史と絵画の表現テクニックを同時に学べるという点でも、ルカノーズは美術検定との関わりも深く、過去に何度かコラボレーション講座も行わせていただきました!


★「美術検定ナイト~語る、伝える、作ることで学ぶ美術の歴史〜」(パネリスト:三杉レンジ)

前篇>http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-218.html

後篇>http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-219.html


★「折り紙で辿る美術史」セミナーワークショップ(講師:三杉レンジ)

レポート>http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-242.html



世界の名画~画集コンシェルジュ


本棚には画集も充実しています。講師は全員、画集コンシェルジュ。

オールドマスターから現代アートまで、生徒さんのリクエストに応えたり、制作のヒントになりそうな画集を選んで見せたり、新着画集を紹介したりと、幅広く活用しています。


左:画集棚。右:国立近代美術館で開催中のゲルハルト・リヒター展の図録を見せながら、熱く感想を語る筆者



美術初心者から講師、作家へ


私はルカノーズの前身、三杉レンジ氏が主催する絵画ワークショップに参加していました。2006年の初回からの生徒なので、ルカノーズ一期生です。絵は初心者でした。

当時は月1回のワークショップで、洞窟壁画から現代アートまで、数万年の流れを一気にみる美術史講座や、ピカソのキュビスム・名画の法則講座など、現在ルカノーズの定番となっている講座をはじめ、他にも暗闇粘土、現代音楽、巨匠のテクニックや思考を体感するような講座などなど、毎回工夫の凝らされた内容で、当時アート初心者だった私にとって、そこはまさに「遊園地」のような場所でした。そんな“場”に集まってくる仲間たちは、好奇心と表現欲が旺盛で頭の柔らかい人が多く、とても刺激を受けました。



2009年ルカノーズ立ち上げ時から生徒兼スタッフとして関わり、2011年から講師として教えるようになりました。

カリキュラムや講座を通して一通りの知識は身につけたつもりでいたものの、いざ他人に教える立場になって、美術史を今一度しっかり捉え直そうと思って、美術検定の勉強を始めました。

西洋美術史はルカノーズのカリキュラムでほぼ網羅されているので、公式テキストや副読本に沿って復習し、それ以外の対策として日本美術史を重点的に勉強しました。楽しくて、教材の図版をイラスト模写しながら覚えました。さらに楽しくなって、付箋に美術史の様式名を書いて地域年代順に並べたりして一人で遊んでいました


ルカノーズと並行して画業をスタートし、絵本創作の道に進み、プロの作家となった今も、美術史をベースにした表現の引き出しを持てたことは、自分の作風を支える大切な柱になっています


ルカノーズでも近年、美術検定にトライするスタッフや生徒さんが増えてきました。

私もアトリエで「ルカノーズに一年も通っていれば3級は楽に受かるよね!」と、冗談で発破をかけたりしています。

そして本当に、年明けに生徒さんから「3級合格しました!」と報告をもらって、とても嬉しかったです。


これからも、まったくの初心者が遊園地のようなワクワク感でアートを楽しみ、刺激を与え合える、気づきと学びの場であり続けるよう、私も精進したいと思います。


8月に渋谷ヒカリエでルカノーズ全体の展覧会を開催します。

ぜひご高覧ください。


「ひつじの皮をかぶった絵画教室」展

詳細>https://www.hikarie8.com/cube/2022/07/post-112.shtml


絵画教室ルカノーズ

http://lukanose.com/



プロフィール/

30歳までアートとは無縁の人生を送ってきたが、そこから俄然やる気を出したところ本気になってしまった人。上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒業後、環境NGO、会社員を経て、絵画教室ルカノーズで美術を教えているつもりで実は自分がいちばん学んでいる。2017年ピンポイント絵本コンペで最優秀賞受賞。2018年に美術検定1級を取得。2019年「ちゃのまのおざぶとん」で絵本作家デビュー。絵本「めんぼうズ」がアリス館から好評発売中。

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