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週末はアートフェア~アートフェア東京2022みどころ、速報!

まいど、アートナビゲーターのあづまっくすでございます。恒例となりましたアートフェア東京レポート、みどころを速報(といっても少し遅くなりましたが、汗)でお届けいたします。



アートフェア東京とは、国内外の150のギャラリーや企業が参加する、日本最大のアートフェアです。会場は有楽町の東京国際フォーラム、2022年の本年は本日3月11日(金)から13日(日)までの開催です。アートフェア東京の特徴は、古美術から近・現代美術、工芸やジュエリーといった幅広いジャンルの作品を取り扱っている点です。


今年のテーマは「Art、art、ART」、日本語の「アート」もそうですが、文字にすると受ける印象がかわりますね。自分にとっては、美術作品は見る人によって、またその時の気持ちによって、受ける印象が変わる、そんな多様性を表しているテーマではないかと感じました。


またこの一年の間に、ブロックチェーン技術を使ったNFT(Non-Fungible Token)が注目を浴び(NFTについては美術手帖2021年12月号で特集されています)、買う側にとっても選択の幅が広がっています。もちろん、そのあたりもしっかりFAT Collectionとしてフォローしているアートフェア東京は、まさにアートの「今」をとらえています。こちらは、東京国際フォーラムの地下2階「Future Art Tokyo Collection」でみることができます(詳細はウェブ版美術手帖をチェック!)。メイン会場のお向かいなので、お見逃しなく!


今年は、昨年から出展ギャラリー数が140に増えました。実はメインフロアの出展数は減っています(2021年は115、2022年は109<あづまっくす数え>)。その分、少し広めのブースが増え、大きめの作品が昨年より多かった気がします。欧米のアートフェアでは、大きなブースに大作が並んでいますが、みなさんはどう感じられますでしょうか。


また今年はメディアアート作品もみかけるようになり、会場でのライブ制作を行うブースもあり、少しずつコロナ前の雰囲気を取り戻してきているようにも思います。久しぶりに会えたね、とコロナ談義に花が咲いていた(と自分は感じたんですが)昨年に比べ、じっくりと作品に向き合う来場者の姿が印象的でした。


今回は、ブース名の頭にメインフロアの右(北のN)と左(南のS)がついているので、お目当てのギャラリーも探しやすく、目的のギャラリーまでの道すがらに、アートフェア東京ならではの古美術・近代・現代美術にでくわす魅力も堪能できます!



例によって、あづまっくす自身、会場をゆっくり見て回るのは週末の12日(土)以降にしようと思っていますが、ポイントを3つほど。


1・最近美術館で見た作家や作品が!


コロナ禍で海外から作家や作品を迎えることが難しくなり、美術館もいろいろな企画を考えている、2021年も引き続きそんな年だったかと思います(最近ようやく「メトロポリタン美術館展」や「ドレスデン美術展」など、海外から作品が相次いで来るようになりましたが)。そんな中、美術館は横連携でコレクション展を企画したり、現代美術作家が参加した企画展もみかけました。

例えば前者でいえば、現在練馬区美術館で開催中の「生誕110年 香月泰男展」、こちらは瞬生画廊で出会えましたし、FumaContemporaryでは、2021年秋に埼玉県立近代美術館で開催されたで「美男におわす」展で見かけたドクロをかぶった男性の彫刻が! 会場にいらした作家の金巻芳俊さんにうがかうと、アトリエで制作後、美術館で展示したこともあり、今回ギャラリーから展示してみたとのこと。再び出会えると展覧会の思い出もよみがえりますね。



2・今年もあります、毎日展示替え!


昨年もご紹介したとおり、フェア後半になると、買手がついた作品を展示替えしている可能性もあるので、複数日通うのもあり! 地下2階は有料ですが、地下1階エリアは今回も無料。また今回は、比較的新しいギャラリーが集う「Projects」は有料エリアにあるのですが、今回は無料エリアで展示しているのでお見逃しなく!


そして今年の毎日展示替えは、1992年日本の現代美術の先駆けとしてオープンしたギャラリー、レントゲン藝術研究所準備室がアートフェア東京に復活、会期中毎日展示替えだそうですのでお楽しみに!

3・京都国立博物館の、あの名品が!


美術検定的には見逃せない長谷川等伯作品が!1996年大阪市立美術館「京都永観堂禅林寺の名宝展」で出品された《秋草図屏風》が、藤美術で展示されています。ここ数年は京都国立博物館に寄託されたいた作品だそうで、なかなかお目にかかれない一品。伊藤若冲や久隅守景なども出展されているので、お見逃しなく!



さてお待ちかね、今回気になった作家を紹介する、あづまっくすセレクション。


今回は、今年初台のオペラシティーアートギャラリーで個展が予定されている作家、ライアン・ガンダー。国立国際美術館での個展はありますが、東京では初めて。昨年予定されていた展示がコロナでコレクションを使った展示となり、左右対称のモノクロの空間や、懐中電灯で照らしながら見るという体験をされた方もいらっしゃるのでは。そんな彼の作品が、TaroNasuギャラリーのグループ展に。こちらはアートの自動販売機。ただそこには、石やホテルのルームキー、お札やお札のような紙など、お金にまつわるコンセプトがたっぷり詰まっていて、いろいろと考えさせられます。金額も29,999円という、ちょっと微妙なお値段、ぜひじっくり見ながら、そしていろいろ語りたい作品でした。


毎年この時期には、様々なアートフェアやイベントがアートフェア東京にあわせて開催されますが、今年はこれまでにないほど充実しています。


まず、東京国際フォーラム内の別フロアで「SBIアートオークション」が初の同時開催。明日3月12日(土)に行われます。オークションカタログも、アートフェア東京の今回のキーカラーである日本らしい若緑。また同じく、昨年保税区域である羽田空港でオークションを行ったことで話題となった「ニューアート・エストウェストオークション」が、3月13日(日)に五反田で開催されます。コレクターの方にとっては、同じお財布をオークションかアートフェアか、どちらで使うべきか迷うのでは?!


有楽町では、店舗の入れ替わりの隙間を作家のアトリエとして利用するプロジェクト・ソノアイダにて、日本初のNFTアートフェア、「Meta Fair」が13日(日)まで開催。こちらは、バーチャル空間をドバイ万博の日本館設計社の永山祐子氏が担当していることでも話題です。


新橋のJRガード下は、すっかりリニューアルしておしゃれな飲食店が並ぶ日比谷OKUROJIとして話題ですが、そこで7つのギャラリーが集まった「OKUROJI アートフェア」が3月13日(日)まで開催中です。11時・14時・17時にはギャラリーツアーもあり、あづまっくすも土日にツアーを担当しますので、お時間のある方はぜひ!


浜松町では、オンラインのアートギャラリーtagboatが主催する「tagboat Art Fair」も開催されています。週末は山手線に乗って、アートウォークを楽しめそうですね。


チケットは昨年同様、事前オンライン予約、前回から据置き5000円!(当日予約、前日までは4000円)早めのご予約をおすすめするとともに、混雑緩和のための本日11日(金)と12日(土)17時~19時のレイトチケットもおすすめです。


昨年2021年は、前年のフェア中止の影響と、コロナ禍での海外渡航の制限などから消費が国内に向いたこともあり、来場者数は減少したものの作品の売れ行きは過去最高でした。先日、フェアにあわせて発表されたアートフェア東京の調査(日本のアート産業に関する市場調査2021)では、フェア以降のアート市場も俯瞰できます。


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アフターコロナの日常が少しずつですが戻りつつある中、今年のアートフェア東京は、まん延防止適用措置の中に開催されます。みなさまもしっかりと対策をされて、春の有楽町を楽しんでみてはいかがでしょうか。

アートフェア東京2022 https://artfairtokyo.com/2022 【開催日程】※全日入場は終了30分前まで 3月 11日(金)11:00-19:00 3月 12日(土)11:00-19:00 3月 13日(日)11:00-16:00 【会場】 東京国際フォーラム展示ホール(東京都千代田区丸の内3-5-1) 【チケット情報】https://artfairtokyo.com/archives/2021/visitor_info#buy-tickets 4,000円(事前オンライン予約・時間制)

レイトパスチケット 2,000円 ※11日(金)、12日(土)の17時〜19時(最終入場18時30分)

AFT2020 中止


プロフィール 美術館でのボランティアや、画廊巡りのガイドツアーといった美術の現場で、鑑賞する楽しさを伝えるアートプラクティショナー。美術作品を前にしたとき言語化できない感情をレゴブロックで表現するワークショップも開催。月イチトークイベント1st Saturday Salon主催。Instagramやtwitterは、ぼちぼち。最近は、CLUBHOUSEで『平日美術館アートシーン』を毎日20:45から放送中。


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